二人の彫刻家展

佐藤 忠良(銅版画) ×  土屋 裕介(彫刻)
  Churyo Sato (etching)  x  Yusuke Tsuchiya (sculpture)

会期 2011年12月10日(土)〜2012年1月28日(土)
火〜土 12:00〜19:00 / 日・月・祝日休
(冬期休業:2011.12.25 - 2012.1.16)


tsuchiya

土屋 裕介
「嘘に酔う」
2010

テラコッタ H240 x W140 x D350

 

sato

佐藤 忠良
版画集『童心頌』より 「編みもの」
1984
銅版画 paper size : 490 x 380 mm

 

 

<<展覧会紹介>>
 このたびキドプレスでは佐藤忠良(銅版画の出展)と土屋裕介(彫刻の出展)による「二人の彫刻家」展を開催いたします。
 平凡な日常生活に、ほんの一瞬垣間見られる人間の美を捉え、形にする。
このことは、世代を超え、二人の作家に共通する特徴の一つと言えるでしょう。
 今もなお、私たちの心をとらえる佐藤忠良と、時代が変わっても変わる事のない人間のもつ輝きを豊かな感性で表現する土屋裕介。二人の彫刻家による作品展です。是非、この機会にご高覧下さい。

<<作家紹介>>

佐藤忠良(さとう ちゅうりょう)
 2011年春に惜しまれながらもこの世を去った佐藤忠良(1912-2011)は、日本を代表する彫刻家の一人です。
 宮城県に生まれ、幼少を北海道の夕張で過ごし、後に絵画を学ぶため上京しますが、ロダンやマイヨール、デスピオ等の生命主義の彫刻作品に感銘を受け、彫刻家を志すようになりました。
 1934年には東京美術学校(現東京藝術大学)彫刻科に入学。舟越保武、本郷新らと出会い、卒業後には共に新制作派協会彫刻部を設立し、精力的に活動を行いました。
 まもなくして第二次世界大戦が開戦。1944年、佐藤自らも兵役に招集され、のち3年間のシベリア抑留を体験します。  
 帰還後、制作を再開し、1960年には第3回高村光太郎賞を受賞。1981年にはフランス国立ロダン美術館にて、日本人としては初となる個展を開催しました。佐藤が生涯を費やしてこの世に生み出した名作は、数知れません。
中でも『蒼穹』『若い女の像』『帽子』シリーズなどは代表作となりました。

 そんな中、彫刻のみならず素描や版画もまた数多く制作されました。とりわけ人間味溢れる仕草を、瞬間で捉える描写力が魅力的です。絵本『おおきなかぶ』(福音館書店)では挿絵を描き、今でもたくさんの子供へと読み継がれ、長く愛されています。

略歴
1912年 宮城県黒川郡に生まれる
1918年 父の死去、翌年母の実家の移住 先である北海道夕張町に移る
1932年 絵画の勉強のため上京
1934年 東京美術学校(現東京芸術大学)彫刻科塑像部に入学
1939年 東京美術学校卒業。本郷新、柳原義達、舟越保武ら7名で新制作派協会彫刻部の創立に参加
1944年 兵役に招集され、満州に渡る
1948年 3年間のシベリア抑留生活より帰還し制作活動を再開
1960年 第3回高村光太郎賞を受賞
1974年 《帽子・あぐら》で昭和48年度芸術選奨文部大臣賞を受賞
1975年 第6回中原悌二郎賞を受賞
1981年 フランス国立ロダン美術館にて日本人として初めての個展 『佐藤忠良展』開催
     これによりフランスアカデミー・デ・ボザールの客員会員に推挙される
1984年 ローマ・アカデミア・ディ・サン・ルーカの会員に推挙される
1986年 東京造形大学名誉教授となる
1988年 『佐藤忠良のすべて』を国内11会場で開催
1989年 日本人の体質感を具象彫刻に表現した功績により1988年度朝日賞を受賞
1990年 宮城県美術館に佐藤忠良記念館が開館
1998年 佐川美術館【ブロンズの詩 佐藤忠良館】開館
2002年 プロ野球ゴールデン・ルーキー賞《萌える》制作

土屋裕介(つちや ゆうすけ)
 1985年千葉県出身の土屋裕介は、‘09年東京藝術大学彫刻科を卒業、’11年同大学院彫刻専攻を修了しました。
2009年には「アートアワードトーキョー丸の内2009」に出展するなど、精力的に発表を続けきました。
 テラコッタ(素焼き)による華奢な肢体の土屋の作品は、一見、砂糖菓子のように儚く繊細です。
 セラミックや木彫、鍛金、和紙など、部分的に異素材を組み合わせた丹念な作り込みは、造形技術の高さをうかがわせます。
 人物の表情や仕草からは、微笑みや悲しみといった直接的な感情ではなく、「赦(ゆる)し」や「慈恵」あるいは「諦め」のような、奥深い感情を読みとることができます。作品に出会うや否や、観る人は心をほどかれ、心地のよい脱力感を味わう、こんな世界観に土屋の魅力があります。

略歴
1985 千葉県生まれ

2011 PLUS THE ART FAIR 2011(キドプレス)、東美アートフォーラム
   TAMAVIVANT II 2011「ただいま検索中」展、多摩美術大学
   「Neo Buddhism」展、キドプレス
    第59回東京藝術大学卒業・修了作品展、東京藝術大学
    東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻卒業予定
2010 第3回ルシャ・キパル展、佐倉市立美術館、千葉
    個展「- dreamer -」、ギャラリーせいほう、東京
2009 第57回東京藝術大学卒業・修了作品展、東京都美術館
    アートアワードトーキョー丸の内2009、東京駅行幸地下ギャラリー
    アートの中のわたし、わたしの中のアート」展、からさわクリニック、東京
    個展「- your world -」展、ギャラリー海、千葉
   「時空の街―街の音―」展、テプコ浅草館、東京
2008 千葉県二紀展、千葉県立美術館
    第3回アートプラザ大賞展
2007 第2回アートプラザ大賞展

 

 

 

 

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